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その10 エントリーそして潜行!

そしてついに器材をつけての講習が開始された。
まず、タンクのバルブを緩め、ゲージでタンクの
空気量を確認し、BCをバディ同士で助け合い
ながら重い器材を背負う。重い。。
一体これ、何kgあるんだろう。

慣れない器材の重みにふらふらしながら、近くの
階段を降りてビーチへ。手にはマスク、シュノー
ケル、フィンがある。

波打ち際でマスクの曇り止めの方法を教えてもらう。
なーに簡単!
自分の唾をぺっぺはいてレンズの裏側に塗って軽く
水を流すと曇らなくなる。これをしないと時間が
経つと前が全然見えなくなって大変なのだ。
もちろんマスクに唾はくなんて嫌~という人は
曇り止めスプレーとかクリームを塗るんだ。ものに
よっては目がしみてダイビング終わったら目が真っ赤!
なんて事もあるがしみないものも最近出てるんだって。

マスクを付け、シュノーケルを加えてからざぶざぶと
海の中へ歩いて入って行き、腰位の水深でバディの肩に
手をかけて交代でフィンを履く。

何気ないことだが海に安全にエントリーするには色々
手順を踏む必要がある。なんせ重い器材を背負ってる
わけで、何気ない水深30cm波打ち際での事故や
怪我が70%も占めるというのだから、一番気をつけ
なければならないのが波打ち際なんだ。

こけた時の呼吸確保のため必ずマスクを付け、シュ
ノーケルを口にくわえる。波が高い時は向き合って、
両手を互いの肩に置いてかに歩きでエントリーした
りする。

さて、フィンを履き終えると少しBCに空気を入れ
て、水深2m程とれる場所まで少し移動してから
BCの空気を抜いて潜行の練習。

これが初心者の第一の難関。沈みたくても沈まない
ここで再び学科で習った耳抜きを練習して潜るわけ
だが、副鼻腔炎の治療中の私は潜るものの、唾を
飲み込んでも全く耳抜き出来ず、たった2mでも
耳抜きが出来ないと鼓膜が痛くなってくる。
うう、痛いよおお。

耳抜きとは水中に潜行していくと鼓膜が押されて
痛みを生じるのを解消してやる動作の事を指し、
出来ないのをふりきって潜ったりすると鼓膜を
破ったりしてしまう。ダイビングにはなくては
ならない技術なんだ。

インストラクターが耳を指してOK?と3人に聞くが、
私だけ耳を指して×マークを出す。
インストラクターは鼻をつまむジェスチャーをする。
耳抜きをしろということなんだろう。
だが抜けない耳は痛い。神経がきーーっとなってくる。

水中は死にかけようが苦しもうが声をあげられない。
全くもって異質の環境。
その中で1人しばらく痛む耳と格闘するはめに。

そんな中、不思議に冷静になった。
私はふと大阪での学科を思い出していた。

「いいですか?電車に乗ってる時にトンネルに入って
耳がキーンとするでしょ?唾を飲み込んだり、あくび
をしたりするとすっきり直る。それが潜る時に必ず出
来ないと潜れない”耳抜き”の動作。潜りでもそれは
有効ですが、よく使われる耳抜きの方法はバルサルバ
法と言いまして鼻をつまんで軽く空気を送りこむ。
すると耳の鼓膜がぱかんっとそっくり返るような感触
で耳が抜けます。試してみて下さい。」

と一回揃ってやったんだけど、あの時はよく解らな
かったんだよな~。
副鼻腔炎の治療中で毎日注射してた時期だったし。

半泣きになりながら真似して鼻をつまみ、空気を
軽く送り込む。変化なし。
少し空気をふんっと吹き込み、力むとようやく
ぱっかん!という耳の鼓膜がそっくり返るような
感触。その途端に鼓膜の痛みがすうっと消えた。

おお、でけたぞ!!(感激)

ようやく慌ててOKのサインを出す。
おお、やっと出来たぞお!とうるうるきそうな位
その瞬間は嬉しかった。
海に受け入れられた瞬間だった。

だが、そんなのは講習の序の口でしかないのだった。

つづく



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